SLPCの取り組みで重要なことが「教育」です。
貧困の連鎖を断ち切るためにはどこかで、ジャンプしなければいけません。でも、そのきっかけを誰かが与えなければどうしようもできない子供達がいます。
貧困の中の最貧困の人達、それが、ここ墓地に住む家族です。普通に住む場所も、お金も無いから、最終的な場所として墓地を選びました。
子どもも、親も同じ墓地で生まれ育ちました。
墓地に住む子どもたちの中にも、勉強したいと思う子どもが沢山いるのです。
全員のサポートをすることはできませんが、数名の子どもたちのための小学校、大学などの資金を提供しています。大事なことは、子供本人が「学びたい」と思っていること、そして、親がそれを前向きに考えてくれる家庭であることも重要です。
墓地で暮らす家族、母親もこの墓地で生まれ育ちましたから十分な教育は受けていません。そうすると、子どもが学校にいくことにも興味無い(考えない)親も沢山いるのです。 母親の理解を求めるところから始まります。
デービス牧師の活動
どこのコミュニティにも、前向きにその場所を良くしたいと考える人達がいます。
この墓地にもデービス牧師がいます。彼自身、スラム街で生まれ育ち、厳しい人生を過ごしてきました。
現在、彼が育ったロレガ地区、そして、ここカレタ地区の墓地の家族をサポートするために活動しています。
私達はこの牧師の活動をサポートする立場で協力をはじめました。
けっして、前に出過ぎないようにしています。それは牧師自身の活動はむずかしいもので、コミュニティの人間関係は繊細なのです。
その場所に長く住まないと、よそ者として、誰も意見を聞いてくれません。
反対に、時間をかけて付き合うと、地域の人達は徐々に理解してくれます。
勉強したい子どもがいることを確認
はじめてこの墓地を訪問した時は、日本人は珍しかったのでしょう。子供達が列をなして私達の後ろをついて歩いてきました。
牧師と一緒に、歌や踊りを一緒にすると、子どもたちはすぐに慣れてくれます。
子どもたちは慣れてくると、自分のことを話しする、アピールの強い子もいます。日本語を教えてくれとせがむ子が数名いました。
高校を卒業した後大学に行き、先生になってこの墓地の子どもたちに教えたいと望む女性がいました。
私達が奨学金を提供するようになったのは、そんな意思を持つ子どもがいるからです。
子どもたちの前途は厳しいです。生活環境自体が、大学を卒業できるまで安定したものかどうかも、全くわかりません。
実際に奨学生として大学の費用を提供した子どもが途中でリタイヤしたことも、すでに経験済みです。それでも、教育を提供する価値は十分にあります。夢を持つこと、それが子どもたちにも、そして私達にも前進する機動力になります。
墓地の石棺がそのまま残る廟に家族が入り暮らしています。日本のお墓とは構造が違うので、少し理解しにくいかもしれません。石棺を護るための家だと考えてください。